独禁法上の問題につながるおそれのある荷主の行為
公正取引委員会では、荷主と物流事業者との取引の公正化に向けた調査を継続的に行っています。令和6年度の調査結果報告によると、現下の労務費、原材料価格、エネルギーコスト等のコスト上昇分の取引価格への反映の必要性について協議をすることなく取引価格を据え置く行為等が疑われる事案に関して、荷主100名に対する立入調査を行ったとしています。また、調査の結果を踏まえ、独占禁止法上の問題につながるおそれのある行為を行った荷主(646名)に対して注意喚起文書を送付しています。以下、問題につながるおそれのある行為として挙がった主な事例を紹介します。
◆不当な給付内容の変更およびやり直し
荷主(飲食料品卸売業)は、物流事業者に対し、定期便として発注した運送業務を集配送当日にキャンセルしたが、そのような突然のキャンセルに伴い物流事業者が負担した車両の手配に要した費用を支払わなかった。
◆代金の支払遅延
荷主(飲食料品小売業)は、物流事業者に対し、自社の事務処理が間に合わないことを理由に、あらかじめ定めた支払期日を超過して運賃を支払った。
◆買いたたき
注意喚起文書を送付した荷主の行為類型別内訳で、96件、割合12.9%。
具体的事例:荷主(機械器具卸売業)は、物流事業者から、それまで無償で提供させていた附帯業務の料金が上乗せされた見積書を受け取ったにもかかわらず、理由を一切説明することなく、運賃を一方的に据え置いた。
◆代金の減額
荷主(物品賃貸業)は、物流事業者に対し、理由を一切説明することなく、あらかじめ定めた運賃を一方的に減額して支払った。
◆割引困難な手形の交付
荷主(機械器具卸売業)は、物流事業者に対し、運賃として手形期間150日の約束手形を交付した。
◆物の購入強制・役務の利用強制
荷主(家具・装備品製造業)は、物流事業者に対し、自社が開催する展示会における家具の運送等の委託をする際に、自社製品を購入させた。
【(令和7年6月24日)令和6年度における荷主と物流事業者との取引に関する調査結果及び優越的地位の濫用事案の処理状況について | 公正取引委員会】
若い世代が考える仕事と育児の両立
~共育(トモイク)プロジェクト調査結果より
厚生労働省の広報事業「共育(トモイク)プロジェクト」は7月30日、15歳から30歳の若年層1万3,709人を対象に実施した「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」(速報)を公表しました。
調査によると、若年層の64.8%が「共育てをしたいが、実現のためには社会や職場の支援が必要」と回答しました。共育ての必要性は広く認識されているものの、制度や環境面での支援整備が課題として浮き彫りになっています。また、育児や家事の分担については約7割が「性別は関係ない」と回答し、男女の役割に関する意識変化が明確です。
※「共育て」とは、パートナー同士が協力し合って、家事・育児に取り組むことをいいます。
◆育児休業取得意向の高さと理想の働き方
育児休業の取得意向は高く、若年社会人の71.8%が育休取得を希望しています。そのうち約8割が「1か月以上の育休取得」を希望していることもわかりました。理想の働き方としては「仕事と家庭の両立」や「柔軟な働き方」を重視する傾向が強く、理想の働き方が実現した場合に「仕事のモチベーションが高まる」と回答した割合は74.4%にのぼっています。
一方、理想の働き方が実現できていない若年層は、子育て期間中の離職意向が理想の働き方ができている層に比べて24.3ポイント高いことも明らかになりました。
◆企業に求められる具体的支援策
若年層が理想の働き方を実現するために望む支援としては、「残業時間の抑制」(22.3%)、「在宅勤務の活用」(22.1%)、「有給休暇の取得促進」(21.6%)が挙げられています。これらの支援は離職抑止や働きやすさ向上に寄与すると考えられます。
また、厚生労働省の調査によれば、2024年度の男性育児休業取得率は40.5%で、2025年度には50%の取得率達成を目指しています。若年層の育児や共育てに対する意識の変化に合わせ、企業側は制度の充実と職場環境の整備を一層進める必要があります。
仕事と育児の両立は、個々の社員だけでなく、企業の持続的な成長や社会全体の活力にも影響を与える重要なテーマです。今後も若年層のニーズを踏まえ、多様な働き方と支援体制の構築が求められます。
【「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」(速報)を公表しました |厚生労働省】
「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について」の通達が公表されました
令和7年度税制改正において、特定扶養控除の要件の見直しおよび特定親族特別控除の創設が行われたことを踏まえ、健康保険法の被扶養者の認定対象者が19歳以上23歳未満である場合における取扱いについて、通達が公表されました。<資料№1参照>
◆認定対象者が19歳以上23歳未満である場合における取扱い
認定対象者の年間収入に係る認定要件のうち、その額を130万円未満とするものについて、当該認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が19歳以上23歳未満である場合にあっては150万円未満として取り扱うこと。
なお、当該認定対象者の年間収入の額に係る認定要件以外の取扱いについては、昭和52年通知と同じとすることとされています。
※昭和52年通知の内容
1.認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合
(1) 認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者の年間収入の二分の一未満である場合
(2) (1)の条件に該当しない場合であっても、認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者の年間収入を上まわっておらず、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるとき
2.認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合
認定対象者の年間収入が、130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合
◆施行日:令和7年10月1日
大学生が扶養から外れないように就業調整をしていることを受け、人手不足解消の観点から、認定にかかる年間収入の要件を緩和したものです。
