離職予測分析とは
離職予測分析とは、従業員の離職可能性をデータに基づいて予測する分析手法です。勤怠データや人事評価などを活用し、統計分析やAIモデルによって離職リスクの高い従業員を早期に特定し、適切な対策を実施することを目的とします。近年、こうしたサービスが増加しています。
◆高品質なデータの重要性
その分析の成否は、データの質と量に大きく左右されます。例えば、勤怠データ収集では、出退勤時間だけではなく、残業時間の推移、遅刻・早退の頻度も必要です。これらのパターン変化は離職の前兆となることが多いからです。
従来残業を厭わなかった従業員が急に定時退社するようになったり、有休の申請が急増したりするなどは離職リスクの指標と考えられます。ただし、これらは組織文化や制度変更によっても生じるため、注意が必要です。
◆質的データの活用
定量的データと併せて質的データも重要です。従業員満足度調査やエンゲージメント調査により、仕事への満足度、上司との関係性、キャリア展望を測定します。退職者面談のデータは離職要因の理解に重要であり、在職中の面談データと併せた分析が必要です。
◆継続的なメンテナンスの必要性
精度の高い予測には、労働環境や従業員の価値観の変化に応じたデータ項目の新設、収集範囲の拡張、データ形式の標準化など、データ品質を保つための定期的なメンテナンスが必要です。他の人事制度同様、「一度作ったら終わり」ではありません。また、プライバシー保護や利用目的の制限についての配慮が不可欠です。
離職予測分析サービスを利用しない場合でも、こうしたデータの把握は制度運用における有益な視点となるでしょう。
サイバー攻撃予防訓練のすすめ
◆サイバー攻撃も“災害”として認識すべき時代
近年、企業を狙ったサイバー攻撃が急増しています。標的型メールやランサムウェアなど、その手口は巧妙化しており、従業員の一瞬の油断が情報漏洩や業務停止といった重大な被害につながるおそれがあります。とりわけ人事・労務部門が扱う情報は機密性が高く、万が一流出した場合、その被害は災害並みです。
そこで、企業の情報インフラのBCPとして、サイバーセキュリティの防災訓練が有効になってきます。
◆訓練の具体的な進め方
例えば、実際の攻撃を模した疑似メールを従業員に送信。開封やリンククリックの有無を確認し、現状のリスク感度を把握します。結果をもとに、どのようなメールが危険か、どう対応すべきかを学ぶ研修を行い、実践的な知識と意識の向上を図ります。
また、実際に攻撃を受けて感染等してしまい、インフラが止まってしまった場合等を想定して、その際の初動対応やオフラインでどのような作業がどこまで可能か等、確認しながら行うことも有効です。
◆小さな一歩が大きな防御に
まずは小規模な訓練からでもよいでしょう。また、外部の専門業者等と連携して行うのもよいでしょう。
従業員の意識改革と企業防衛の第一歩として、ぜひこの機会に検討してみましょう。
フリーランス法施行から1年 違反行為に対する指導の現状
◆違反行為は445件
フリーランス・事業者間取引適正化等法(以下「フリーランス法」という)が施行され、11月1日で1年となり、同法の所管省庁である公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省は、3万社の発注事業者を対象に行ったフリーランスとの取引に関する調査(令和6年11月~令和7年9月)の結果を公表しました。
これによると、公正取引員会は、フリーランス法違反行為による4件の「勧告」と441件の「指導」を行いました。勧告は、大手出版社や音楽教室などに対し、同法3条1項(取引条件の明示義務)および4条5項(期日における報酬支払義務)、5条2項1号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)の規定に違反する事実について行われました。
また、同委員会は、今年3月にゲームソフトウェア業、アニメーション制作業、リラクゼーション業などの事業者に集中的に調査を行い、45社に対して契約書や発注書の記載、発注方法、支払期日の定め方等の是正を求める指導を行いました。
◆ハラスメント対策や募集の際にも注意が必要
都道府県の労働局によると、ハラスメント対策に係る体制整備義務(フリーランス法14条)と募集情報の的確表示義務(同法14条)の違反に関する指導等が多くなっています。
発注事業者は、ハラスメントによりフリーランスの就業環境を害しないよう相談対応のための体制整備などの措置を講じなければなりません。
また、広告等によりフリーランスを募集する際は、その情報について、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確かつ最新の内容に保たなければなりません。
フリーランスに業務を委託する際には、フリーランス法で規制されている項目についてあらためて確認する必要があります。
12月は「職場のハラスメント撲滅月間」です
職場におけるハラスメントは、働く人の能力を十分に発揮することの妨げになるだけでなく、個人の尊厳や人権を不当に傷つける許されない行為です。
ハラスメントには、職場での優位性を背景としたパワーハラスメント、性的な言動によるセクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児等に関するマタニティハラスメント(他に、パタニティハラスメント、ケアハラスメント)の3つがあります。これらは職場秩序を乱し、生産性の低下や人材流出、企業の社会的評価の低下を招く重大な問題です。正社員のみならず、契約社員・パートタイム・派遣といった雇用形態を問わず、すべての労働者が安心して働けるよう配慮が求められます。
年末は12月26日(金)まで、 年始は1月5日(月)から営業です。
