療養等と仕事の両立のために報酬が急減した場合の標準報酬月額改定に関する特例措置が創設されます
◆何のための特例措置?
療養、育児または介護(以下、「療養等」という)と仕事を両立するため、勤務日数を減らす等の就労調整により、社会保険料の標準報酬月額が2等級以上低下した場合に、翌月から標準報酬月額を改定できるようにする特例措置が、令和9年1月1日より創設されます。
通常の随時改定では、報酬減となった後も3カ月間、報酬減となる前の高い保険料を負担することとなります。そのため、報酬減が3カ月以上続くことが見込まれるとして事業主から届出があった場合に、より速やかに標準報酬月額を改定できるようにする措置の創設が要望されていました。
◆措置を利用するための手続きは?
事業主が、被保険者報酬月額変更届(特例改定用)に申立書兼同意書を添えて、日本年金機構の事務センター(または年金事務所)に提出します(組合管掌健保は、同時に健保組合にも提出)。
なお、特例措置による改定後も、定時決定は行う必要があるため、「被保険者標準報酬月額算定基礎届」の提出は必要となります。
◆措置を利用する場合に注意すべき点は?
特例措置により、標準報酬月額が減少するため、将来の年金給付が減少すること、傷病手当金および出産手当金に影響が生じることについて、対象者に十分説明の上、あらかじめ書面で同意を得ておく必要があります。
【参考】
「療養、育児又は介護により報酬が急減した者についての健康保険法及び厚生年金保険法の標準報酬月額の保険者算定の特例について 」(令和8年7月31日保保発0731第4号、年年発0731第1号、年管管発0731第7号)【 001731743.pdf 】
最低賃金引上げに向けた支援策
◆令和8年度の最低賃金改定額
今年度の最低賃金改定額の答申は、47都道府県で54円~65円の引上げとなりました(本年10月1日から12月2日までの間に順次発効)。全国加重平均は1,177円(昨年度1,121円)で、全国加重平均額56円の引上げは、過去2番目の高さです。
◆最低賃金引上げに関する国の支援
厚生労働省と経済産業省(中小企業庁)は、影響を受ける中小企業・小規模事業者に対する支援を連携して実施しています。例えば経産省では、各種補助金について、補助上限の引上げや加点措置を実施しています。なお、助成金・補助金の組合せ利用も可能です(同一の補助対象(設備等)に対する重複利用は不可)。
◆業務改善助成金、キャリアアップ助成金・賃金規定等改定コース(労働局関係)
※御社の賃金引上げ日の前日までに対応をする必要があります!
○島根県の最低賃金1,092円(2026.10.10~)
○鳥取県の最低賃金1,090円(2026.10.3~)
◆賃上げ促進税制 <税理士様へご確認!>
青色申告書を提出している中小企業者等が、一定の要件の下、前年度より給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税から税額控除できる制度です(令和9年3月31日開始事業年度まで)。
◆デジタル化・AI導入補助金
中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けたAIを含むITツールの導入を支援します。
【参考】
・賃上げ・最低賃金対応支援特設サイト | 経済産業省 中小企業庁
・最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業 |厚生労働省
「喫煙ルール」も会社の魅力になる
◆採用難時代の職場環境づくり
厚生労働省の「受動喫煙対策の見直しに関する『議論のとりまとめ』」によると、改正健康増進法の全面施行から5年が経過し、特に受動喫煙防止の必要性が高い病院や学校など第一種施設では受動喫煙の機会がほとんどないことが確認された一方、その他の施設では、一定程度残っているとされています。
職場の受動喫煙対策としては、令和2年1月6日からハローワークの求人票に就業場所における「受動喫煙防止」のための取組みを明示することとされています。また、受動喫煙防止対策助成金による受動喫煙防止のための施設・設備の整備に対する助成が行われています。
人材確保が難しくなる中、自社の喫煙ルールを求職者から「気持ちよく働けそうだ」と思ってもらえるかという視点で点検してみるのもよいでしょう。
◆求人票に反映されていない受動喫煙対策があるかも?
職場の受動喫煙対策というと、喫煙室を設ける、標識を掲示する、といった法令上求められる対応を思い浮かべがちです。
求人票に記載するのも、あくまで改正健康増進法に規定する施設の類型に応じた「屋内の受動喫煙対策」であるため、会社独自の取組みが記載されておらず、職場環境の魅力を伝えきれていないようであれば、別途記載するのもよいかもしれません。
◆「健康経営」の視点から考える
経済産業省の「中小企業支援者向け健康経営の推進支援ハンドブック」には、禁煙に取り組み、社員のモチベーションアップや生産性の向上につながった事例が紹介されています。こうした取組みも参考にしてみてはいかがでしょうか。
【参考】
・受動喫煙対策の見直しに関する議論のとりまとめ|厚生労働省
中小企業支援者向け健康経営の推進支援ハンドブック(経産省 2026年8月)
【 siennkikann_handbook2026.pdf 】
