村松事務所便り 2026年4月号(vol.267)

4月から協会けんぽの健康診断で変わること

 本年4月から協会けんぽの健康診断の内容が、次のとおり変わます。


◆人間ドック健診の補助新設
 35歳~74歳の被保険者は、人間ドック健診に最高25,000円の補助が出ます。検査項目は、生活習慣病予防健診に「血液の詳しい検査」「眼圧検査」「医師による健診結果の説明」などを加えた項目です。健診の選択肢が広がることになります。


◆若年層を生活習慣病予防健診の対象に
 生活習慣病予防健診の対象者を従来の35歳~74歳から拡大して、20歳、25歳、30歳の被保険者も対象とします。検査項目は、生活習慣病予防健診から「胃・大腸の検査」を省略(自己負担額2,500円(上限)で受診可能)した項目です。若いうちから自身の健康に向き合う機会が増えることになります。


◆骨粗鬆症検診の新規導入
 40歳~74歳の偶数年齢の女性被保険者を対象として、問診および腰や腕、かかとなどで骨量(骨密度)を測定する検査が補助対象に追加されます。自覚症状がない骨粗鬆症を早期に発見することができるようになります。


◆「節目健診」の導入
 従来の35~74歳の被保険者を対象とした一般健診および付加健診の検査項目を統合し、新たに「節目健診」を新設します。対象は、40歳・45歳・50歳・55歳・60歳・65歳・70歳の方です。


◆被扶養者に対する健診の拡充
 令和9年度からは、被扶養者に対する健診について、被保険者に対する人間ドックや生活習慣病予防健診と同等の内容に拡充します。
 これを機に職場に周知されてはいかがでしょうか。

【参考】
新しい健診のお知らせ | 全国健康保険協会
・令和8年度からの健診体系見直しについて【R7kenpo20251006.pdf



職場における女性の健康支援に取り組む企業の新たな認定制度が創設されます


◆新たな認定制度「えるぼしプラス」「プラチナえるぼしプラス」とは
 女性活躍推進法に基づき女性活躍推進に関する取組みの実施状況が優良である企業を認定する「えるぼし認定」および「プラチナえるぼし認定」に加えて、職場における女性の健康支援に取り組む企業を認定する認定制度、「えるぼしプラス」および「プラチナえるぼしプラス」が、4月1日に創設されます。
 認定されると、企業は広告やウェブサイトなどに認定マークを使用することができ、イメージアップや就活生へのアピールにつながるので、認定基準をよく確認しておきましょう。


◆女性の健康支援に関する認定基準
 両制度の認定基準は共通で、認定基準を満たす項目数に応じて、えるぼしプラスは1~3段階が認定され、プラチナえるぼしプラスは職場における女性の健康支援に関する取組みの実施状況が特に優良である等の⼀定の要件を満たすと認定されます。
 厚生労働省のリーフレットでは、認定申請のために定める女性の健康上の特性への配慮に関する方針の内容の記述例として、次のものが有効としています。ここでは、主なものを紹介します。
・職場における女性の健康支援の取組が経営上の重要な課題である旨について全労働者の理解を促す経営トップ層等による決意表明
・女性の健康支援の目的は個々の労働者の最大限の能力発揮を図るものであることについて職場の管理者層に理解を促すメッセージ

【参考】
えるぼしプラスデザイン決定|厚生労働省
女性活躍推進法特集ページ|厚生労働省


厚生労働省より「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」が公表


◆小規模事業場へのストレスチェック実施義務化を踏まえたマニュアルが公表
 令和7年の改正労働安全衛生法により義務化されることとなった労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施について、令和8年2月25日に厚生労働省より、「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」が公表されました。


◆マニュアルの内容
 マニュアルでは以下の項目を解説しており、巻末資料として、①ストレスチェック制度実施規程(ストレスチェックの社内ルールを規程として作成する場合に利用できるもの)や、②サービス内容事前説明書(委託先の選定・契約の際に利用できるもの)のモデル例を掲載しています。
1 ストレスチェック制度の実施に向けた準備
2 ストレスチェック制度の実施体制・実施方法の決定
3 ストレスチェックの実施
4 医師の面接指導及び事後措置
5 集団分析・職場環境改善
6 労働者のプライバシーの保護
7 不利益取扱の禁止
8 外部委託ではなく自社で実施する場合の留意点

 労働者数50人未満の事業場においては、原則として、労働者のプライバシー保護の観点から、ストレスチェックの実施を外部機関に委託することが推奨されるものとされており、自社で実施する場合については、上記「8」でも極めて慎重な運用が求められると記載されています。


◆施行に向けて早めの準備を
 改正法は令和7年5月14日に公布され、「公布の日から政令で定める3年以内の日」より施行されます。マニュアルを確認し、早めに準備を始めましょう。

【参考】
「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」(令和8年2月)【001646587.pdf



<弊事務所からのお知らせ>

 「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)ブライト500」の認定(経産省)をいただきました。
 全国で23,085法人の認定があり、そのうちの上位500法人に選ばれました。毎年の審査があり、継続することが重要ですので、頑張ります。

健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)「ブライト500」に認定されました

健康経営優良法人2026ブライト500

社会保険労務士法人村松事務所は経済産業省および日本健康会議より「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)」において、特に優良な取組を実践している上位500法人に与えられる「ブライト500」に認定されました。
健康経営への挑戦を始めて5年目。
昨年は「ネクストブライト1000」の認定でしたが、課題を一つひとつクリアし、ようやく上位500社の基準に到達することができました。

専門家として、自ら「実証」する責任

社会保険労務士として、顧問先様に「働き方改革」や「職場環境の整備」を提言する以上、まずは自らがその実践者となり、効果を証明すべきだと考えています。
私たちが目指したのは、単なる記号としての認定取得ではありません。制度を設計し、実際に運用する中で生じる課題や現場の反応を自ら経験すること。そのプロセスを経て得た「実効性のある労務管理」こそが、お客様の持続的な成長を支援する鍵になると信じています。

5年間の実践で得られた「客観的な成果」

定着率の向上 適切な労務管理と環境整備により、28.5%だった離職率が12.2%まで改善しました。人的資本への継続的な投資 従業員一人あたり年間約4.7万円を、疾病予防(がん・生活習慣病等への保障やオプション検診)に充て、万全の状態で働ける体制を整えています。
労働損失(アブセンティーズム)の抑制 外部相談窓口(EAP)の活用等により、年間の平均欠勤日数を1.8日にまで低減。心身の健康と生産性の両立をデータで管理しています。
(※2025年度実績レポートに基づく要約 )

人的資本経営に関する実務支援のご案内

ブライト500認定レベルの労務管理を、御社の実務に落とし込むための支援を行っております。

① 職場環境整備に伴う「補助金・助成金」の活用支援  両立支援(仕事と治療の両立)制度の構築や女性の健康課題への対応に伴って活用可能な助成金を提案し、要件整備(就業規則の変更)から申請代行までを一貫してサポートします。

② 就業規則・エンプロイメントブックの作成  単なるトラブル防止の規則に留まらず、従業員のエンゲージメントと定着率を高めるための規定を提案いたします。ただし、規定はできても、労使双方の取り組み次第ですので、そこはお忘れなきように。

本件に関する詳細や、弊社の各種サービスについてのお問い合わせは、下記より承っております。

お問い合わせ

ご依頼及び業務内容へのご質問などお気軽にお問い合わせください

村松事務所便り 2026年3月号(vol.266)


「女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル~事業者向け~」が公表されました


◆マニュアルのねらい
 女性の就業率の増加に伴って、女性の健康課題への対応の重要性が高まっています。厚生労働省の検討会が令和7年12月24日にとりまとめた報告書では、定期健康診断の一般健康診断問診票に女性特有の健康課題に関する質問項目を追加すべきとされるとともに、個々の労働者と事業者を繋ぐ観点から、望ましい対応をマニュアル等に示すこととされました。
 本マニュアルは、これを受け、事業者が女性特有の健康課題で困難を抱える女性労働者にどのような対応をすればよいか、望ましい職場環境改善の取組みや参考情報をとりまとめたものです。


◆内容・目次
 ・女性特有の健康課題(月経困難症、過多月経症、更年期障害など)の基本情報
 ・取組みにあたっての手順や留意事項、安衛法上の位置付け、個人情報の保護など
 ・準備(管理職・社員研修、相談窓口の設置、休暇・勤務制度の見直し・整備など)
 ・専門医を受診した労働者からの相談対応
 ・職場環境の改善(具体的な業務上の配慮、支援の実施)
 ・Q&A(制度の目的と企業の役割、従業員への対応と環境整備など)
 ・参考資料:労働者や事業者が利用できる支援制度・機関の紹介


◆マニュアルの活用
 女性の健康課題に配慮した職場づくりを推進する一定規模以上の企業では、労働者への説明を前提に、健診機関から情報を取得し、職場環境改善に活用するなどが考えられます。
 本マニュアルを活用し、女性従業員が働きやすい職場環境を整備し、人材定着をはじめ、従業員満足度やパフォーマンスの向上を目指しましょう。

【参考】
・女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性健康管理支援実地マニュアル~事業者向け 【001634193.pdf
労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会|厚生労働省


「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」が改正されました

 内閣官房と公正取引委員会は「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を令和8年1月1日付けで改正しました。


◆改正のポイント
 令和8年1月からの「中小受託取引適正化法」(以下、「取適法」という)等の施行に伴い、受注者から協議の要請があった場合に、これに応じず一方的に取引価格を据え置くことは「協議に応じない一方的な代金決定」に該当する旨の明記等がなされました。


◆本指針の性格
 本指針は、労務費の転嫁に関する事業者の発注者・受注者の双方の立場からの行動指針であり、12の行動指針に沿わない行為により、公正な競争を阻害するおそれがある場合には、公正取引委員会により独占禁止法および取適法に基づき厳正に対処されます。一方、記載された発注者としての行動をすべて適切に行っている場合は独占禁止法および取適法上の問題は生じない旨、明記されています。


◆改正後の12の行動指針(採るべき行動/求められる行動)
(発注者)
① 本社(経営トップ)の関与
② 発注者側からの定期的な協議の実施
③ 説明・資料を求める場合は公表資料とすること
④ サプライチェーン全体での適切な価格転嫁を行うこと
⑤ 要請があれば協議のテーブルにつくこと
⑥ 必要に応じ考え方を提案すること

(受注者)
① 相談窓口の活用
② 根拠とする資料
③ 値上げ要請のタイミング
④ 発注者から価格を提示されるのを待たずに自ら希望する額を提示

(双方)
①定期的なコミュニケーション
② 交渉記録の作成、発注者と受注者の双方での保管

【参考】
(令和7年12月26日)「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の改正について | 公正取引委員会


障害者雇用納付金 対象拡大の動きと企業の対応

 障害者の法定雇用率を下回った企業に課される納付金(不足する人数に応じて1人当たり月5万円)の対象について、現在は免除されている常用労働者数100人以下の中小企業にも拡大すべき、との意見が盛り込まれた報告書が、2月6日に公表されました。早ければ令和9年の通常国会での障害者雇用促進法等の改正を目指すと報道されています。


◆企業の対応
 上記報告書には、100人以下の企業への納付金対象拡大に肯定的な意見があった一方で、「障害者雇用相談援助事業等を通じた十分な支援等により、中小企業における障害者雇用の進展を確認した後に、改めて検討するべき」との意見があったことも示されました。
 障害者雇用相談援助事業では、労働局の認定事業者から、障害者の一連の雇用管理に関する相談援助を無料で受けることができます(原則1年を限度)。
 雇用継続に関しては、地域障害者職業センターの「職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援」といった公的支援もあります。
 新たに障害者雇用に取り組む企業では、こうした支援を活用しながら具体的な雇用を検討するとよいでしょう。


◆助成金の活用も
 障害者雇用では、助成金も大きく分けて
(1)障害者の雇入れ等を支援するもの
(2)障害者が働き続けられるよう支援するもの
(3)障害者雇用の相談援助を行う事業者に対するもの
 があります。
 例えば(1)では、試用期間中に職場への適応状況を確認してから本格雇用へ移行することができるトライアル雇用助成金があります。
 なお、助成金の支給要件や助成額等は頻繁に変更されるため、活用にあたっては最新情報の確認が必要です。

【参考】
「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会の報告書」 を公表します|厚生労働省
事業主の方へ|厚生労働省

村松事務所便り 2026年2月号(vol.265)


貴社の取得状況はいかがですか? 有給休暇取得率が66.9%で過去最高に
~厚生労働省「就労条件総合調査」


◆年次有給休暇取得率が過去最高に
 厚生労働省の「令和7(2025)年就労条件総合調査」によれば、令和6年の労働者1人当たりの年次有給休暇取得率は66.9%、平均取得日数は12.1日でした。これは過去最高の数値で、また近年は過去最高を更新し続けていることから、年休の取得促進が進んでいることがうかがえます。
 中小企業では、業務量の偏りや代替要員の確保が難しいことなどから、年休取得が進みにくい傾向があります。しかし、年休取得促進は、従業員の健康確保・離職防止・生産性向上に直結する重要な取組みです。また採用の観点でも、「きちんと休める会社か」は若年層や育児世代を中心に関心の高い項目です。大企業が週休3日制などを取り入れる中で、同業他社と比べて著しく取得率が低かったり、促進の取組みを何もしていなかったりという状況では、人材確保が困難となる可能性があります。


◆年休取得促進のポイント
① 計画的付与制度の活用
 年次有給休暇の計画的付与制度とは、年次有給休暇の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を締結する等により、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度です。繁忙期・閑散期を見据えて計画的に付与することで、事前に業務調整を行いやすくなります。
② 休みやすい職場環境の整備
 仕事はチームで行うという認識のもと、特定の担当者しかできない業務を減らすことで、休みやすい環境を整えることができます。情報共有による属人化防止が実践のカギです。また、上司の姿勢や職場の空気が取得率に大きな影響を与えます。管理職研修や取得状況の可視化が有効です。
令和7(2025)年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省】



不妊治療の公的サポート拡充

 2026年4月から、1時間以上かけて不妊治療に通う場合の交通費が助成対象となる見込みです。
 近年、子育て支援だけでなく、不妊治療への支援制度を導入する企業が増加しています。従業員のワークライフバランスに係る支援は、雇用満足度や定着率の向上につながる注目度の高い施策です。福利厚生などの制度導入と共に、国の支援事業活用も案内することで、充足した両立支援を目指しましょう。


◆概 要
 こども家庭庁が、妊産婦等が適切な医療や保健サービスを居住地にかかわらず受けられるよう、経済的負担の軽減を図ることを目的として始まった、妊産婦等に対する遠方の分娩取扱施設等への交通費等支援事業における交通費の助成対象を拡充しました。
 具体的には、各市町村の判断により①妊婦健診、②出産、③産婦健診、④産後ケア、⑤乳幼児健診、⑥不妊治療についての6項目から適宜選択して実施されます。自宅から最寄りの分娩取扱施設等までおよそ60分以上要する場合に、公共交通機関や自家用車を利用して移動した際の交通費の8割が補助されます(③~⑥が本年より新たに追加される項目)。


◆その他の関連支援事業
 不妊治療・不育症等ネットワーク(カウンセラーによる相談支援や里親・特別養子縁組制度の紹介、ピア・サポートなど)や、不妊治療および女性の健康課題対応両立支援を実施している事業者向けの助成金の活用も併せて検討しましょう。
 従業員が不妊治療等により雇用形態の変更や退職などに踏み切る必要のないよう、職場環境を整備しましょう。



「無期転換ルール及び多様な正社員等の労働契約関係の明確化に関する考え方と裁判例」が公表されています~厚生労働省


◆無期転換ルール、多様な正社員等に関する裁判例等をまとめた資料を公表
 有期契約労働者の無期転換前の雇止め等や多様な正社員等の労働契約関係については、実務においてトラブルが多いところです。
 厚生労働省はこのようなトラブル防止を目的に、2025年12月23日、無期転換ルール、多様な正社員等の労働契約関係の明確化に関する裁判例や労働関係法令等の考え方等を整理した「無期転換ルール及び多様な正社員等の労働契約関係の明確化に関する考え方と裁判例」を取りまとめて公表しています。


◆資料で示されている項目
 資料では、例えば以下のような項目について、裁判例や考え方が示されています。

(無期転換ルール〉
・無期転換申込権発生前に新たに(一方的に)更新上限を設定して上限を理由に雇止め
・当初の契約締結時から更新上限を設定して無期転換申込権発生前に雇止め
・再雇用を約束した上で雇止めをし、クーリング期間経過後に再雇用 ・細切れな定年を設定し、  無期転換後、数 年で定年退職☞その後、有期雇用で無期転 換申込み権の行使ができない形となる。
・無期転換申込みを行ったこと等を理由とする不利益取扱い

(多様な正社員)
・労働条件の変更
・限定合意と配転命令
・勤務地限定や高度な専門性を伴わない職務限定と整理解雇法理の判断の傾向
・能力不足解雇


◆企業実務の参考に
 資料で掲載されている裁判例はいずれも個別の裁判例であり、事案によって異なる判断となる可能性がある点は留意するよう注書きもされていますが、押さえておくべき論点が多く盛り込まれていますので、ぜひ実務の参考にしてください。

○最後までありがとうございました。

村松事務所便り 2026年1月号(vol.264)

「育児休業等給付専用のコールセンター」が設置されています


◆複雑化する実務
 昨年施行された改正育児・介護休業法の施行に伴い、従来の育児休業給付金に加え、出生後休業支援給付金や育児時短就業給付金が新設され、申請書類や要件等がそれぞれ異なり、実務が複雑化してきています。そして、申請から給付まで、時間がかかることも問題になっています。


◆コールセンターの設置
 厚生労働省は、それらの問題を踏まえ昨年11月17日に「育児休業等給付専用のコールセンター」を設置しました。育児休業等給付に関する制度内容や申請手続、電子申請の処理状況の目安に関して、問い合わせに応じてもらえます。


◆問い合わせの対象となる給付金
・育児休業給付金(支給期間の延長を含む)
・出生時育児休業給付金
・出生後休業支援給付金
・育児時短就業給付金


◆問い合わせの対象となる内容
・給付金の内容や支給要件を知りたい
・支給額がどのように計算されるか知りたい
・給付金の申請手続を知りたい
・支給時期や電子申請の処理の目安を聞きたい
※具体的な支給日の回答は行われない
 実務担当者にとっては、制度理解と、申請手続の管理、そして社内体制整備が必須実務となるでしょう。不明な点は、このコールセンターを活用してクリアしていきましょう。
【厚生労働省「育児休業等給付専用のコールセンターを設置します」001593629.pdf


今年4月からの道路交通法の改正により自転車にも青切符


◆4月から自転車にも「青切符」制度が導入
 道路交通法の改正により2026年4月から、自転車の交通違反に「交通反則通告制度」(いわゆる「青切符」制度)が導入されます。この青切符は自動車の交通違反の際に広く行われている違反処理の方法で、今までは自転車には導入されていませんでした。
 これまでは自転車の交通違反が検挙されると、いわゆる「赤切符」(飲酒運転など特に悪質性・危険性が高いものに適用)等を用いた刑事手続による処理が行われていましたが、青切符の導入により、手続的な負担を軽減するとともに、違反者に前科がつくことをなくしつつ、実効性のある責任追及が可能となるものとされています。


◆青切符により検挙される違反例
 青切符により検挙される違反の一例として、信号無視(反則金6,000円)、一時不停止(同5,000円)、携帯電話使用(同12,000円)、制動装置(ブレーキ)不良(同5,000円)等が挙げられます。
 青切符導入後も、自転車の交通違反に対しては基本的に「指導警告」を実施し、交通事故の原因となるような、「悪質・危険な違反」は検挙の対象とするとされていますが、検挙の対象が広がったことで、自転車の交通違反については取締りが強化されることになります。


◆従業員への周知を
 通勤等で自転車を使用する従業員もいるところ、自転車への青切符導入は個人としては当然知っておくべき改正です。一方、業務において重大事故が起こった場合などは、企業に使用者責任が問われるケースなども想定されます。自転車の交通違反への取締り強化が進む中、自転車への青切符導入や、自動車のみならず、自転車の交通違反防止については、ぜひ従業員に周知していきたいところです。
道路交通法の改正について(青切符についても含む) 警視庁


ハラスメント相談窓口が「あるのに機能していない」という矛盾


●制度が信頼されていない現実
 厚生労働省の実態調査によれば、パワハラ相談窓口を「設置している」という企業は全体の7割以上に達していることをご存知でしょうか? 一方で、実際にパワハラを経験した労働者のうち、約35%以上が「相談窓口に相談していない」という実態が明らかになっています。さらに驚くべきことに、相談があったとしても、企業が「何もしなかった」と判断されるケースがパワハラで53.2%にも上っているのです。窓口があるのに使われていない、あるいは使っても実効性がないと判断されている――これは単なる運用の問題ではなく、本質的な課題だと考えられます。
 窓口を設置することは、法律上のコンプライアンス要件を満たします。しかし重要な問題は、「窓口が存在すること」と「実際に紛争を解決すること」は全く別の次元にあるという点です。


●「見えないプロセスへの信頼」が解決を左右する
 被害者が相談窓口を利用するかどうかを決める際、最も重視するのは「相談しやすさ」ではなく、「相談した後に本当に解決するのか」「訴えが真摯に受け止められるのか」という見えないプロセスへの信頼だと考えられます。このプロセスが不透明だと、被害者は窓口があっても利用を躊躇します。結果として問題は潜在化し、職場環境は悪化し、やがて労働紛争や訴訟へと発展するリスクが高まります。
 相談窓口を単なる「あるべき制度」として形式的に運用するのではなく、実際に被害者の声を受け止め、問題を解決し、職場を改善するための実質的なツールとして機能させることが求められているようです。
 実効性のある相談窓口の設置やハラスメント防止体制の構築、プロセス設計について、一度考えてみませんか。
【厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査 結果概要」001259093.pdf


当事務所よりひと言

 新年あけましておめでとうございます。
 今年は、丙午(ひのえうま)という年ですが、私の同級生(昭和41年・1966年生まれ)は、江戸時代からの迷信(丙午の女性は気性が激しく、夫を食い殺す。嫁ぎ先に不幸をもたらすなど。)で出生数が激減したのでした。ちなみに、同級生の女性陣をみたとき、迷信であることに間違いないことを御伝えしておきます。ちなみに、私は来年1月に還暦を迎えますが、日々元気に過ごせることに感謝しています。
 また、その年(1966年)は、日本の人口が初めて1億人を超え、当時は高度経済成長の時代でした。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

村松事務所便り 2025年12月号(vol.263)


離職予測分析とは

 離職予測分析とは、従業員の離職可能性をデータに基づいて予測する分析手法です。勤怠データや人事評価などを活用し、統計分析やAIモデルによって離職リスクの高い従業員を早期に特定し、適切な対策を実施することを目的とします。近年、こうしたサービスが増加しています。


◆高品質なデータの重要性
 その分析の成否は、データの質と量に大きく左右されます。例えば、勤怠データ収集では、出退勤時間だけではなく、残業時間の推移、遅刻・早退の頻度も必要です。これらのパターン変化は離職の前兆となることが多いからです。
 従来残業を厭わなかった従業員が急に定時退社するようになったり、有休の申請が急増したりするなどは離職リスクの指標と考えられます。ただし、これらは組織文化や制度変更によっても生じるため、注意が必要です。


◆質的データの活用
 定量的データと併せて質的データも重要です。従業員満足度調査やエンゲージメント調査により、仕事への満足度、上司との関係性、キャリア展望を測定します。退職者面談のデータは離職要因の理解に重要であり、在職中の面談データと併せた分析が必要です。


◆継続的なメンテナンスの必要性
 精度の高い予測には、労働環境や従業員の価値観の変化に応じたデータ項目の新設、収集範囲の拡張、データ形式の標準化など、データ品質を保つための定期的なメンテナンスが必要です。他の人事制度同様、「一度作ったら終わり」ではありません。また、プライバシー保護や利用目的の制限についての配慮が不可欠です。
 離職予測分析サービスを利用しない場合でも、こうしたデータの把握は制度運用における有益な視点となるでしょう。


サイバー攻撃予防訓練のすすめ

◆サイバー攻撃も“災害”として認識すべき時代
 近年、企業を狙ったサイバー攻撃が急増しています。標的型メールやランサムウェアなど、その手口は巧妙化しており、従業員の一瞬の油断が情報漏洩や業務停止といった重大な被害につながるおそれがあります。とりわけ人事・労務部門が扱う情報は機密性が高く、万が一流出した場合、その被害は災害並みです。
 そこで、企業の情報インフラのBCPとして、サイバーセキュリティの防災訓練が有効になってきます。


◆訓練の具体的な進め方
 例えば、実際の攻撃を模した疑似メールを従業員に送信。開封やリンククリックの有無を確認し、現状のリスク感度を把握します。結果をもとに、どのようなメールが危険か、どう対応すべきかを学ぶ研修を行い、実践的な知識と意識の向上を図ります。
 また、実際に攻撃を受けて感染等してしまい、インフラが止まってしまった場合等を想定して、その際の初動対応やオフラインでどのような作業がどこまで可能か等、確認しながら行うことも有効です。


◆小さな一歩が大きな防御に
 まずは小規模な訓練からでもよいでしょう。また、外部の専門業者等と連携して行うのもよいでしょう。
 従業員の意識改革と企業防衛の第一歩として、ぜひこの機会に検討してみましょう。


フリーランス法施行から1年 違反行為に対する指導の現状

◆違反行為は445件
 フリーランス・事業者間取引適正化等法(以下「フリーランス法」という)が施行され、11月1日で1年となり、同法の所管省庁である公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省は、3万社の発注事業者を対象に行ったフリーランスとの取引に関する調査(令和6年11月~令和7年9月)の結果を公表しました。
 これによると、公正取引員会は、フリーランス法違反行為による4件の「勧告」と441件の「指導」を行いました。勧告は、大手出版社や音楽教室などに対し、同法3条1項(取引条件の明示義務)および4条5項(期日における報酬支払義務)、5条2項1号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)の規定に違反する事実について行われました。
 また、同委員会は、今年3月にゲームソフトウェア業、アニメーション制作業、リラクゼーション業などの事業者に集中的に調査を行い、45社に対して契約書や発注書の記載、発注方法、支払期日の定め方等の是正を求める指導を行いました。


◆ハラスメント対策や募集の際にも注意が必要
 都道府県の労働局によると、ハラスメント対策に係る体制整備義務(フリーランス法14条)と募集情報の的確表示義務(同法14条)の違反に関する指導等が多くなっています。
 発注事業者は、ハラスメントによりフリーランスの就業環境を害しないよう相談対応のための体制整備などの措置を講じなければなりません。
 また、広告等によりフリーランスを募集する際は、その情報について、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確かつ最新の内容に保たなければなりません。
 フリーランスに業務を委託する際には、フリーランス法で規制されている項目についてあらためて確認する必要があります。


12月は「職場のハラスメント撲滅月間」です

 職場におけるハラスメントは、働く人の能力を十分に発揮することの妨げになるだけでなく、個人の尊厳や人権を不当に傷つける許されない行為です。
 ハラスメントには、職場での優位性を背景としたパワーハラスメント、性的な言動によるセクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児等に関するマタニティハラスメント(他に、パタニティハラスメント、ケアハラスメント)の3つがあります。これらは職場秩序を乱し、生産性の低下や人材流出、企業の社会的評価の低下を招く重大な問題です。正社員のみならず、契約社員・パートタイム・派遣といった雇用形態を問わず、すべての労働者が安心して働けるよう配慮が求められます。



年末は12月26日(金)まで、 年始は1月5日(月)から営業です。

村松事務所便り 2025年11月号(vol.262)


外国人労働者に人事・労務を説明する際に役立つ支援ツール

 日本の法制度や雇用慣行は外国人労働者にとっては馴染みのないことも少なくありません。そのため、厚生労働省から、職場のルールを理由や背景も含めて説明し、理解を深めてもらうことを目的とした支援ツールが出されています。



◆『外国人社員と働く職場の労務管理に使えるポイント・例文集』
 採用、賃金、労働時間といった9つのテーマをあげ、雇用管理で実際に想定される場面ごとに、①外国人社員に説明する前に読んで理解しておくとよいポイント、②実際に外国人の方にそのまま話したり見せたりできるよう「やさしい日本語」による説明の例が紹介されています。例えば、採用後に労働者が提出する書類について、「日本では、あなたに代わって会社が税金や保険の計算をします。あなたのためにしますから、必要な情報を会社に教えてください。」とルビつきで示されています。


◆雇用管理に役立つ多言語用語集
 人事・労務の場面でよく使用する労働関係、社会保険関係の用語約420語について、定義・例文を検索できる用語集です。やさしい日本語のほか、9言語(英語、韓国語、中国語(簡・繁)、タガログ語、ベトナム語、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、インドネシア語、カンボジア語、タイ語、ミャンマー語、モンゴル語)に対応しています。
 就業規則などを外国人労働者に説明する際、理解が難しそうな用語などを検索して、翻訳を提示したり、外国人社員本人が、人事・労務用語の入社前の学習や辞書として活用したりすることが想定されています。


◆モデル就業規則ほか
 厚生労働省のモデル就業規則は外国語版も出されています。そのほか、日本国内で働く外国人の方に向けた「労働条件ハンドブック」や外国人労働者の労災防止に役立つ教材、資料も整備されています。

【厚生労働省「外国人の方に人事・労務を説明する際にお困りではないですか?」
 外国人の雇用 |厚生労働省
外国人労働者の安全衛生管理|厚生労働省



健康保険の被扶養者認定は令和8年4月から労働契約内容で年間収入を判定

 健康保険の被扶養者としての届出に係る者(以下「認定対象者」という。)の年間収入については、認定対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入の見込みにより判定されていましたが、令和8年4月からは、就業調整対策の観点から、被扶養者認定の予見可能性を高めるため、次のとおり、労働契約段階で見込まれる収入を用いて被扶養者の認定を行うこととされました。


◆労働契約で定められた賃金(労働基準法第11条に規定される賃金をいい、諸手当および賞与も含まれる。)から見込まれる年間収入が130万円(認定対象者が60歳以上の者である場合または概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては、180万円。認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が19歳以上23歳未満である場合にあっては150万円)未満であり、かつ、他の収入が見込まれず、
(1) 認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合には、被保険者の年間収入の2分の1未満であると認められる場合
(2) 認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合には、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合
には、原則として、被扶養者に該当するものとして取り扱う。


◆労働契約の内容によって被扶養者の認定を行う場合は、労働基準法第15条の規定に基づき交付される「労働条件通知書」(以下「通知書」という。)等の労働契約の内容が分かる書類の添付および当該認定対象者に「給与収入のみである」旨の申立てを求めることにより確認する。具体的には、通知書等の賃金を確認し、年間収入が130万円未満(一定の場合は180万円または150万円未満)である場合には、原則として被扶養者として取り扱う。なお、労働契約の更新が行われた場合や労働条件に変更があった場合(以下「条件変更」という。)には、当該内容に基づき被扶養者に係る確認を実施することとし、条件変更の都度、当該内容が分かる書面等の提出を求める。



高齢者雇用のマインドセットを見直そう


◆義務対応を超えた戦略的アプローチ
 2025年3月で65歳までの雇用確保義務の経過措置が終了し、すべての企業で完全実施が求められています。しかし、高年齢者の継続雇用については多くの企業が「仕方なく雇用継続する」という後ろ向きの発想(福祉的雇用)に留まっているのが現実で、これは大きな機会損失です。
 高齢者が持つ豊富な経験と知識を適切に活用し、組織の貴重な資産とするために効果的なアプローチは「役割の再定義」です。従来の業務をそのまま継続させるのではなく、高齢者の強みを活かせる新しい役割を創出します。例えば、技術継承のメンター役、新人教育の指導者、顧客との長期的関係構築の担当者などです。


◆世代間連携で生産性を向上させる
 高齢者雇用成功の鍵は「世代間連携」にあります。若手の斬新なアイデアとベテランの経験を組み合わせることで、相乗効果を生み出せます。
 具体的な手法には、「リバースメンタリング」があります。ITスキルは若手が高齢者に教え、業界知識や顧客対応のコツは高齢者が若手に伝授するといった双方向の学習システムです。仕事に必要な情報をお互いに提供し合える関係性が構築されることで、知識の共有はもちろん、アイデアの活性化にもつながり、業務の改善・効率化にも有益です。

 これからは“高齢労働者”ではなく、「ノウハウ人材」や「後継育成人材」という認識に改めたほうがよいでしょう。高齢者雇用は「コスト」ではなく「投資」だという経営者の意思表示も重要です。 制度設計や運用面では、年齢に応じた労働条件の設定、安全衛生管理、労働時間の配慮など、高年齢者雇用安定法に基づく適切な対応が求められます。法的リスクを回避しながら効果的な高齢者活用を実現しましょう。

当事務所よりひと言

今年も早いもので残り2ヶ月足らずとなり、また、これからは寒くなりますので、
ご自愛ください。

村松事務所便り 2025年10月号(vol.261)

最低賃金引上げに向けた環境整備のため「業務改善助成金」が拡充されます!

 令和7年9月5日までに、最低賃金について、すべての都道府県の地方最低賃金審議会で答申が取りまとめられ、それらの結果、初めて全都道府県で1,000円を超え、全国加重平均は1,121円となりました(現在の1,055円から過去最大の66円引上げ)。厚生労働省は、最低賃金の引上げに対応する中小企業・小規模事業者に対する支援策として、9月5日から「業務改善助成金」の拡充を行うことを発表しました。


◆業務改善助成金とは
 生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額(各コースに定める金額)以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するものです。


◆拡充内容1:申請可能な事業所が拡大
 従来、事業場内最低賃金と改定前の地域別最低賃金の差額が50円以内の事業所が対象であったところを、事業場内最低賃金が「改定後の地域別最低賃金未満」までの事業所が対象となります。


◆拡充内容2:賃金引上げ計画の事前提出を省略可能に
 従来、賃金引上げ後の申請は不可(申請前に賃金引上げ計画を立て、申請後に賃金を引き上げる)であったところ、令和7年9月5日から令和7年度当該地域の最低賃金改定日の前日までに賃金引上げを実施していれば、賃上げ計画の事前提出が不要となります。


◆中小企業庁でも補助金拡充へ
 中小企業庁においても、以下の補助金の拡充(対象の拡大、要件緩和等の措置)を行うこととしています。
① ものづくり補助金
② IT導入補助金
③ 中小企業省力化投資補助金(一般型)
【厚生労働省「9月5日から、事業場内最低賃金の引上げに取り組む中小企業等を支援する「業務改善助成金」を拡充します」令和7年度最低賃金額答申|厚生労働省
最低賃金の引上げに係る支援策について|内閣官房ホームページ


日本年金機構から公表された19歳以上23歳未満の被扶養者認定要件変更の案内とQ&A


◆被扶養者認定における年間収入要件の変更
 令和7年度税制改正において、19歳以上23歳未満の親族等を扶養する場合における特定扶養控除の要件の見直し等が行われました。これを踏まえ、扶養認定を受ける者(被保険者の配偶者を除く)が19歳以上23歳未満である場合の年間収入要件の取扱いが変わり、日本年金機構のホームページでは、変更内容の案内やQ&Aを公表しています。


◆19歳以上23歳未満の年間収入要件が「150万円未満」に
 扶養認定日が令和7年10月1日以降で、扶養認定を受ける者が19歳以上23歳未満の場合は、現行の要件である「年間収入130万円未満」が「年間収入150万円未満」に変更になります。「年間収入要件」以外の要件に変更はありません。
年齢要件(19歳以上23歳未満)は、扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定されます。


◆Q&A
 日本年日本年金機構のQ&Aでは、以下のようなことが示されています。
・あくまで年齢によって判断され、学生であることの要件は求めない。
・年間収入が150万円未満かどうかの判定は、従来と同様の年間収入の考え方により判定される。具体的には、認定対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込むこととなる。
・令和7年10月1日以降の届出で、令和7年10月1日より前の期間について認定する場合、19歳以上23歳未満の被扶養者にかかる年間収入の要件は130万円未満で判定する。

 同内容は従業員への周知も必要になりますので、よく確認しておきましょう。
19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります|日本年金機構


「こころの耳の相談窓口」がリニューアルされました


◆電話、SNS、メールでの相談が利用可能に
 厚生労働省は「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳」の「こころの耳の相談窓口」をリニューアルし、電話、SNS、メールでの相談が利用できるようになりました。「こころの耳の相談窓口」は、働く人やその家族、企業の人事労務担当者を対象に、メンタルヘルス不調やストレスチェック制度、過重労働による健康障害の防止対策などについての困りごと、悩みなどを相談することができます。
 各相談窓口の特徴について紹介していきます。


◆働く人の「こころの耳電話相談」
 電話相談は、平日17時~22時、土曜日・日曜日10時~16時(祝日、振替休日、年末年始(12月29日~1月3日)を除く)に実施しています。それ以外の時間は、自動応答メッセージが流れます。


◆働く人の「こころの耳SNS相談」
 「電話ではうまく話せない」「電話で相談することが難しい状況」などの場合、SNSで相談できます。相談にはLINEアプリの当相談窓口のアカウントへの「友だち登録」が必要です。受付は、電話相談の30分前までとなっています。


◆働く人の「こころの耳メール相談」
 相談内容を文章にしてまとめて伝えたいなどの場合には、メールで相談することができます。「ご相談の前に」・「利用規約」の同意のチェックボックスにチェックをして、メール相談専用フォームに入力することができます。メールは24時間受け付けていますが、祝日、年末年始は対応を行っていません。


◆相談する際の注意事項
各相談窓口を利用する前には利用規約を読み、同意する必要があります。また、医療の是非の判断などの医療行為にあたる内容や法律や税務等の専門的知識を必要とする相談、公的扶助や社会保険、各種給付金などの適用や処遇などについては対応できませんのでご注意ください。

 各相談窓口の詳しい利用方法については以下のサイトをご確認ください。
【厚生労働省 こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

社会保険労務士法人村松事務所で「健康経営セミナー」を実施しました。

社会保険労務士法人村松事務所は、アクサ生命保険株式会社松江営業所協力のもと、職員の健康増進と働きやすい職場環境の構築を目指し、「健康経営セミナー」を開催いたしました。企業経営に不可欠な健康投資について深く学び、食を通じた実践も行いました。

健康経営アドバイザーを招いた講演会

今回のセミナーでは、アクサ生命保険株式会社 松江営業所 所長であり、健康経営アドバイザーの資格をお持ちの金尾所長を講師にお招きしました。

金尾所長には、健康経営の基本から実践まで、具体的な視点からご講演いただきました。特に、以下の重要なテーマに焦点を当て、職員の意識改革を促しました。

  • 健康経営の基本と戦略: 企業価値向上に繋がる健康投資の考え方
  • 女性の健康関連: 職場における女性特有の健康課題への理解とサポート
  • 禁煙・受動喫煙対策: 健康的な職場環境を実現するための具体的な取り組み

この講演を通じて、職員一人ひとりが自身の健康管理と、組織としての健康への取り組みに対する意識を深めることができました。


有限会社アゴ弁様の「出汁の旨味」を活かした健康弁当

セミナー後の昼食時には、有限会社アゴ弁様の 栄養バランスを考慮した特製の「健康弁当」を、職員全員でいただきました。

このお弁当は、健康を第一に考慮し、出汁(だし)の旨味を最大限に活かす調理法が採用されている点が大きな特徴です。これにより、塩分を控えめにしながらも、満足感のある豊かな味わいを実現しており、「減塩でも美味しい」という実践的な学びを得る良い機会となりました。

社会保険労務士法人としての今後の取り組み

今回のセミナー開催は、社会保険労務士法人村松事務所が継続的に取り組む「健康経営」をさらに深める機会となりました。

今後も、本セミナーで得た学びを活かし、職員が心身ともに健康で、能力を最大限に発揮できる職場環境づくりに継続的に取り組み、働く人々の健康をサポートする専門家集団として、より一層質の高いサービスを提供できるよう努めてまいります。

村松事務所便り 2025年9月号(vol.260)

独禁法上の問題につながるおそれのある荷主の行為

 公正取引委員会では、荷主と物流事業者との取引の公正化に向けた調査を継続的に行っています。令和6年度の調査結果報告によると、現下の労務費、原材料価格、エネルギーコスト等のコスト上昇分の取引価格への反映の必要性について協議をすることなく取引価格を据え置く行為等が疑われる事案に関して、荷主100名に対する立入調査を行ったとしています。また、調査の結果を踏まえ、独占禁止法上の問題につながるおそれのある行為を行った荷主(646名)に対して注意喚起文書を送付しています。以下、問題につながるおそれのある行為として挙がった主な事例を紹介します。


◆不当な給付内容の変更およびやり直し
 荷主(飲食料品卸売業)は、物流事業者に対し、定期便として発注した運送業務を集配送当日にキャンセルしたが、そのような突然のキャンセルに伴い物流事業者が負担した車両の手配に要した費用を支払わなかった。


◆代金の支払遅延
 荷主(飲食料品小売業)は、物流事業者に対し、自社の事務処理が間に合わないことを理由に、あらかじめ定めた支払期日を超過して運賃を支払った。


◆買いたたき
 注意喚起文書を送付した荷主の行為類型別内訳で、96件、割合12.9%。
具体的事例:荷主(機械器具卸売業)は、物流事業者から、それまで無償で提供させていた附帯業務の料金が上乗せされた見積書を受け取ったにもかかわらず、理由を一切説明することなく、運賃を一方的に据え置いた。


◆代金の減額
 荷主(物品賃貸業)は、物流事業者に対し、理由を一切説明することなく、あらかじめ定めた運賃を一方的に減額して支払った。


◆割引困難な手形の交付
 荷主(機械器具卸売業)は、物流事業者に対し、運賃として手形期間150日の約束手形を交付した。


◆物の購入強制・役務の利用強制
 荷主(家具・装備品製造業)は、物流事業者に対し、自社が開催する展示会における家具の運送等の委託をする際に、自社製品を購入させた。

(令和7年6月24日)令和6年度における荷主と物流事業者との取引に関する調査結果及び優越的地位の濫用事案の処理状況について | 公正取引委員会


若い世代が考える仕事と育児の両立
~共育(トモイク)プロジェクト調査結果より

 厚生労働省の広報事業「共育(トモイク)プロジェクト」は7月30日、15歳から30歳の若年層1万3,709人を対象に実施した「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」(速報)を公表しました。
 調査によると、若年層の64.8%が「共育てをしたいが、実現のためには社会や職場の支援が必要」と回答しました。共育ての必要性は広く認識されているものの、制度や環境面での支援整備が課題として浮き彫りになっています。また、育児や家事の分担については約7割が「性別は関係ない」と回答し、男女の役割に関する意識変化が明確です。
「共育て」とは、パートナー同士が協力し合って、家事・育児に取り組むことをいいます。


◆育児休業取得意向の高さと理想の働き方
 育児休業の取得意向は高く、若年社会人の71.8%が育休取得を希望しています。そのうち約8割が「1か月以上の育休取得」を希望していることもわかりました。理想の働き方としては「仕事と家庭の両立」や「柔軟な働き方」を重視する傾向が強く、理想の働き方が実現した場合に「仕事のモチベーションが高まる」と回答した割合は74.4%にのぼっています。
 一方、理想の働き方が実現できていない若年層は、子育て期間中の離職意向が理想の働き方ができている層に比べて24.3ポイント高いことも明らかになりました。


◆企業に求められる具体的支援策
 若年層が理想の働き方を実現するために望む支援としては、「残業時間の抑制」(22.3%)、「在宅勤務の活用」(22.1%)、「有給休暇の取得促進」(21.6%)が挙げられています。これらの支援は離職抑止や働きやすさ向上に寄与すると考えられます。
 また、厚生労働省の調査によれば、2024年度の男性育児休業取得率は40.5%で、2025年度には50%の取得率達成を目指しています。若年層の育児や共育てに対する意識の変化に合わせ、企業側は制度の充実と職場環境の整備を一層進める必要があります。
 仕事と育児の両立は、個々の社員だけでなく、企業の持続的な成長や社会全体の活力にも影響を与える重要なテーマです。今後も若年層のニーズを踏まえ、多様な働き方と支援体制の構築が求められます。
「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」(速報)を公表しました |厚生労働省


「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について」の通達が公表されました

 令和7年度税制改正において、特定扶養控除の要件の見直しおよび特定親族特別控除の創設が行われたことを踏まえ、健康保険法の被扶養者の認定対象者が19歳以上23歳未満である場合における取扱いについて、通達が公表されました。<資料№1参照>



◆認定対象者が19歳以上23歳未満である場合における取扱い
 認定対象者の年間収入に係る認定要件のうち、その額を130万円未満とするものについて、当該認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が19歳以上23歳未満である場合にあっては150万円未満として取り扱うこと。
 なお、当該認定対象者の年間収入の額に係る認定要件以外の取扱いについては、昭和52年通知と同じとすることとされています。

※昭和52年通知の内容

1.認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合
 (1) 認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者の年間収入の二分の一未満である場合
 (2) (1)の条件に該当しない場合であっても、認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者の年間収入を上まわっておらず、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるとき

2.認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合
 認定対象者の年間収入が、130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合


◆施行日:令和7年10月1日
 大学生が扶養から外れないように就業調整をしていることを受け、人手不足解消の観点から、認定にかかる年間収入の要件を緩和したものです。